マルチコーンカロリーメーター(MCC)見学会の開催報告(2025年3月14日)

 当研究会では、独自に開発したMCCの(一社)表面・超原子先端材料工学研究所(表面・材料研、場所:小田原の旧関東学院大学内)への設置が終了したので、この見学会を当研究会関係者向けに実施した(10名参加)。さらに、表面工学の分野で著名な表面・材料研の説明も受けた。

 まず、表面・材料研の高井所長から、本研究所の設立の経緯と主要研究の内容として、ドライ・ウエットの最先端メッキ技術、ナノクラスター・ナノ粒子、半導体加工・表面実装技術、高機能・先端材料、機能性食品などを説明していただいた。そして主要設備の見学も行った。その後、大越会長から、MCCの原理と特徴、従来方法への優位性の解説があり、さらに、実験室での実際の装置と測定データの説明を受け、最後に質疑応答を行った。

 MCCは、サンプル形状や接炎条件が固定されていた、従来のコーンカロリーメーターに対して、UL試験などの実際の燃焼試験での様々なサンプル形状と接炎方法で、発熱速度や総発熱量を測定できるため、難燃剤の種類や添加量の最適化とともに、難燃メカニズムの解析に有効である。今回設置した装置は、当研究会内部だけでなく、外部からの測定依頼にも広く対応できるので、今後、難燃技術の研究開発の発展に貢献していくことが期待できる。

(文:位地)